ECサイト運営者の皆さんが抱える疑問を解決するお手伝いをするのがこの記事です。合い言葉は「本は素敵な先生」です。今回取り上げるのは、UNIQLOを運営するファーストリテーリングのトップ柳井正サンの『経営者になるためのノート』です。世界有数のアパレル企業を育て上げた柳井さん。製造小売業から情報製造小売業に企業を進化させようとしている柳井正サンが教えてくれるECサイト運用の秘訣とは?
この記事でわかること
1.『経営者になるためのノート』を選んだ理由
2.柳井正サンって、どんな人?
3.『経営者になるためのノート』から学ぶECサイト運営のコツ
その1:目標は高ければ高いほどいいのです。
その2:不安と危機感とリスクの違い。
その3:リーダーだからこそ学び続けよう。
その4:お客様の笑顔のために大切な三つのこと。
その5:準備をする。しかし固執するのは計画ではなく、成果です。
4.おわりに
1.『経営者になるためのノート』を選んだ理由
柳井正さんといえば、ファーストリテーリングのトップにして、ユニクロの産みの親。製造小売業(SAP)のリーディングカンパニーであり、2020年世界アパレル専門店売上第3位企業を率いるお方です。そんな柳井さんが「経営者として自分が大切にして実践してきたことを整理し、社員教育をしたい。経営者200人作りを加速化したい」という思いから作られたのが本書の原型なのです。いままではファーストリテーリングのみで利用され、配布に当たっては一人一人にシリアルナンバーをふって社外秘にされていたと言います。門外不出であったノートが市販化され、だれでも手に取れるようになりました。この本にはユニクロがグローバルブランドに育った秘訣がぎっしりと書かれています。
2.柳井正サンって、どんな人?
柳井正さんは2兆円企業であるファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長です。1949年山口県宇部市の生まれ。お父様は小郡商事株式会社を経営しており、その会社がのちのファーストリテーリングとなります。
山口で生まれ育った柳井さんは、早稲田大学に進学し、東京へ。大学時代はゼミにも入らず、麻雀をして過ごす日々。大学卒業後はジャスコ(現イオン)にに入社するも、わずか9ヵ月で退社し、地元の山口に。小郡商事に入社し、その後、小郡商事社長に就任し、1984年「ユニークな衣料 (clothes) 」ということで「ユニーク・クロージング・ウエアハウス(Unique Clothing Warehouse、略称ユニ・クロ)」と銘打った店舗を展開し始めます。
柳井サンは自称「ダメな人材」であったそうです。しかし、そんな自分ですら、覚悟をすれば経営者という自分作りが出来たと柳井サンは語ります。覚悟が経営者を作り、2兆円企業を育て上げた。
では、そんな柳井サンの考えを見ていきましょう。
3.『経営者になるためのノート』から学ぶECサイト運営のコツ
その1:目標は高ければ高いほどいいのです。
人は目標を立てるとき、どうしても実現可能な目標を立ててしまいがちです。だって、目標を達成した方が気持ち良いですからね。でもですね、そういう目標ばかり立てていては、あまり意味が無いと柳井サンはおっしゃります。
イノベーションをもたらすために、経営者が実践しなくてはいけないこと。その一つ目が、「目標を高く持つ」ことです。
みなさんは「目標を高く持って」仕事をしていますか?
既存の延長線の発想では出来ないことに自らを追い込む
さすが経営者を目指すためのノートですね。現場で動いている人にとって「高すぎる目標」ってつらいだけな気がしちゃうのですが、そうじゃないと、柳井サンはおっしゃります。現状の1.1倍の目標であれば、いまの延長線上でタスクをこなしてしまいます。それが3倍だったらどうでしょうか? 5倍だったらどうなるでしょうか? 考え方自体を、いままでと違ったものとすることでしょう。そうすることで、イノベーションが生まれてくると柳井サンは語ります。
その2:不安と危機感とリスクの違い。
高い目標を掲げると「その数字、達成できるの?」と、私のような庶民はドキドキしてしまうわけです。不安にさいなまれて、夜も眠れなくなってしまうのです。でもね、それじゃだめだと、柳井サンはおっしゃいます。え! じゃぁ、どうすれば良いの? そのポイントを次のように述べています。
経営者は「危機感」にもとづいて経営をやるべきであって、「不安」にもとづいて経営をやってはいけません。
いくら悩んでも結論が出ないこと、コントロールのできないことに悩んでいても時間がもったいないだけです。
大切なことはまずやってみることです。
リスクがないところに利益はない。リスクがあるところに利益がある。
リスクを計算するというのは、「これをやる場合のリスクというのは、本当はどこにあるのか」ということと、「そのリスクがどれくらい大きいのか」ということを、冷静かつ真剣に考えることです。
悩んでも結論の出ないこと、解決策の出ないことには悩まない。まずは動くこと。動いた先に何かがある。動かないと、何も始まらないということですね。もちろん、動くことによって発生する問題を、マイナスのインパクトを冷静になって計算することも必要。「不安だ!やばい!どうしよう!」と頭を抱えているだけじゃ、ダメってことなんですよね。
その3:リーダーだからこそ学び続けよう。
Shopifyの運営担当者となり、チームを率いて売上の達成を命じられたあなた。リーダーであるからこそ、学びが重要なんだと柳井サンはおっしゃります。
変化は激しく、変革は果てしないものなのです。自問自答して常に内省し続けないと、会社はすぐに社会に通用しなくなります。
その時大切な心構えが二つあります。
「上には上がいると思うこと」
そして、
「世の中には、いままで起きてないことは無いと思うこと」
です。
学ぶということは、自分のスキルを高めることだけが目的ではありません。変化し続ける世の中の流れから振り落とされないことが目的なのです。世の中の流れとは、お客様の考え。常に進化し続けるお客様の気持ちに寄り添うためには、何よりも学びが必要だと柳井サンはおっしゃいます。
その4:お客様の笑顔のために大切な三つのこと
フリースや、ヒートテックに、エアリズム。次から次へと大ヒット商品を生み出すユニクロ。その根底には「お客様の笑顔のために頑張る」というポリシーがあるとのことです。お客様から笑顔を頂くためにはどうすれば良いのか? 柳井サンは次の3点を挙げています。
お客様が欲しいと思っているものを、お客様が想像もしない形で提供する
お客様の声は重要だが、その一枚上手を行こうとする
提供者である自分たちが、本当にいいと思うもの、本当にいいお店だと思うものを作る
お客様を笑顔にすること。それは商品開発かもしれませんし、接客サービスかもしれませんし、ECサイトのデザインかもしれません。毎日実施している業務だからと、惰性でタスクをこなしていませんか? そんな日常を超えていくためにも、お客様の笑顔と、いままで異常の売上を獲得するためにも、柳井サンのこの教えを実践していきましょう。
その5:準備をする。しかし固執するのは計画ではなく、成果です。
次々とヒット商品を生み出し、ユニクロの成長を牽引してきた柳井サン。成功の影にはしっかりとした計画と準備は欠かせなかったようです。が、それだけだと足りないと、おっやっています。
準備する。しかし固執するのは計画ではなく、成果である。
計画を作る時に、最も大切なことは成功のイメージ化です。
ものごとを進めていくための計画は重要だ、しかし、計画に固執してはいけないという話です。
固執すべきものは最終成果、ただそれだけなのです。
計画というのは、日常の現実、あるいは競合の状態、会社の状態が違ってきたら、全部修正していかなければいけないものなのです。
会社の経営にしろ、ECサイトの運営にしろ、事前に計画を立ててしっかり準備をしますよね。そして「あとは計画に沿ってタスクをしっかりこなすだけ!」となりがちなのですが、それはダメだということですね。刻一刻と変化する世の中の状況に合わせて、計画を修正し続けなければならない。だって、重要なのは計画を実行することではなくて、目標に到達することだから。もちろん、徹底した事前準備は必要ですよ。そこは間違えないようにしましょうね。
4.おわりに
地方の小さな紳士服店から、世界有数のアパレル企業にまでファーストリテーリングを育てた柳井サン。時代の流れを読み、会社の仕組みと体制を整え、パートナー企業を巻き込み会社を成長させた柳井サン。学生時代は麻雀に明け暮れていた若者も、経営者になると覚悟を決めたことにより、ここまで会社を成長させることが出来たのです。さぁ、皆さんも、覚悟を決めてShopifyでのECサイト運営に挑みましょう。
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