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【本から学ぶEC運用】「サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ」に学ぶECサイト運営の基礎

【本から学ぶEC運用】「サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ」に学ぶECサイト運営の基礎

(参考:サイゼリヤ

ECサイト運営者の皆さんが抱える疑問を解決するお手伝いをするのがこの記事です。合い言葉は「本は素敵な先生」です。今回取り上げるのは、イタリアンレストラン・サイゼリヤの創業者である正垣泰彦サンの『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』です。おいしくてリーズナブルなミラノ風ドリアでおなじみにイタリアンレストランを作り上げた正垣泰彦サン。日本にイタリア料理を定着させたと言える正垣泰彦サンが教えてくれるECサイト運用の秘訣とは?

 

この記事でわかること

1.『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』を選んだ理由

2.正垣泰彦サンって、どんな人?

3.『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』から学ぶECサイト運営のコツ

 その1:自分の料理を「美味しい」と思うな。
 その2:「美味しい」という感覚的なものを数値化しよう
 その3:何かを改善するときに、一番効果的なのは「何かを辞めること」だ
 その4:値下げほど難しい戦略はない。
 その5:学ぶことには謙虚になろう

 4.おわりに

 

1.『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』を選んだ理由

(参考:サイゼリヤ

ちょっと前にこんなニュースが話題になりました。『サイゼリヤ大好きイタリア人が「本場の食べ方」を紹介し話題 サラミの見事な使い方に「おいしそう」「試してみたい」』。凄いですよね。イタリア料理の本場、イタリア出身のマッシモさんが驚くほどのおいしさが自慢のサイゼリヤ。かくいう私も大好きです。何が好きって、マグナムワインが大好きです。マグナムワインと、プロシュートとポップコーンシュリンプを合わせるのが最高なのです。そんな完全に個人的趣味でこの本を選びました。サイゼリヤの本社は、わたくし神田の地元・埼玉県にありますしね。地元愛あふれるわたくし神田にはたまらない本です。なお、サイゼリヤの一号店は埼玉県ではなく、千葉県です。

 

2.正垣泰彦サンって、どんな人?

正垣泰彦さんは1946年兵庫県生まれです。佼成学園高等学校卒業後、東京理科大学理学部物理学科に入学します。学生時代に飲食店で働いた経験があり、その体験を踏まえて1968年にサイゼリヤの経営を開始します。そこから一気に人気のイタリアンレストランチェーンになっていくのですが、この裏には面白い話しがあるのですよ。


正垣泰彦さんは、大学時代のバイト先のコックさんに「おまえ、食べ物屋の素質がある。独立してやってみたらいい」と諭され創業を決意したのです。とはいえ学生で独立するための資金がないため、父親に「レストランをやらせたい人がいるんだけど、いい所はない?」と相談し、自分が創業するのを伏せて、千葉県市川市八幡にあるフルーツパーラーを購入してもらい、洋食店に変えて「サイゼリヤ」を創業したのです。開店後も、お店が全焼するなどの波瀾万丈の時を過ごしますが、徹底したコストダウンを通じて低価格メニューを充実させ、人気レストランチェーンとしてサイゼリヤを大成功に導きます。では、そんな正垣サンの考えを見ていきましょう。

 

3.『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』から学ぶECサイト運営のコツ

その1:自分の料理を「美味しい」と思うな。

サイゼリヤの料理はどれを食べても美味しいですよね。看板メニューのミラノ風ドリアから、ミニフィセル、辛味チキン、ティラミス、みんな美味しいです。でもですね、正垣さんは「美味しくない」と思っているという驚愕の事実が、本書に登場するのですよ。なんで、そんなことを言うのでしょうか?

 

「自分の店の料理はうまい」とは思ってはいけない。それこそが悲劇の始まりだと私は思っている。なぜなら、「自分の店の料理はうまい」と思ってしまったら、「売れないのはお客が悪い。景気が悪い」と考えるしかなくなってしまうからだ。

 

おおお。なんという自責の考えなのでしょう。「私の味に自信がある」と前提にした場合、その味を理解できない人が悪いのだという結論になってしまう。だから、自分の料理を「美味し」なんて思ってはダメだというのです。上手くいかなくても、誰かのせいにしない。その強い思いが、この言葉に込められているのですね。

 

その2:「美味しい」という感覚的なものを数値化しよう。

料理の美味しさというのは感覚的なものです。十人十色、人によって「美味しい」の中身が違います。だからこそ、美味しさを追い求めるのは大変であり、面白いのです。が、そんなファジーなことを言っていてはダメなんだ、と正垣さんは語ります。

 

「おいしい」=「客数」と考えるようにしている。客数が増えているなら、その店の料理はおいしい。逆に客数がへっているなら、その店の料理はおいしくないのだから、何らかの対策を講じるべきだ。



前項目に出てくる「自分の店の料理はうまいと思ってはいけない」というのと同じですね。提供する料理が美味しければお客さまの数が増える。そうじゃなければ、お客さまの数は減る。なんとわかりやすいことなのでしょう。数値はシンプルであればあるほど、PDCAサイクルが回しやすいということに通じますね。

 

その3:何かを改善するときに、一番効果的なのは「何かを辞めること」だ

失敗したときに誰かのせいにしない。そして、シンプルな指標を見ながらPDCAサイクルを回し続ける。それでも上手くいかない時があります。そういうとき、どうすればいいのでしょうか? これまた正垣さんの考えはわかりやすくて、シンプルです。

不況下で、大切なのは売上の確保ではなく、無駄をなくすことだ。

一番効果があるのは、何かを改善しようと考えるのではなく、今までやっていたことをやめることだ


上手くいかなかったら、改善するのではなく、上手くいっていないことを辞めてしまえという・・・ある意味、豪快なことを正垣さんはおっしゃいます。ダメな状況から復活することは重要だけれど、そのダメなものを改善することに時間を割くのではなく、そのダメなもの自体を辞めてしまおう。実行するのは大変だけれど、その考え方は凄く理解できます。

 

その4:値下げほど難しい戦略はない。

サイゼリヤといえばリーズナブルで美味しい料理が売り。1000円あれば、かなりお腹いっぱいになることができます。やはり安さっていうのは絶対的な武器ですよね。わたくし神田はそう思うのですが、安い差戦略とはそれほど単純じゃないと、正垣さんは教えてくれます。

ただし、安売りがはやっているときに、値下げで割安感を演出するのは危険だ。お値打ちな料理とは価格が安いのではなく、その品質が「この値段なら、この程度の価値が必要だ」という水準を上回っている状態のことだ。


安さというのは絶対的ではなく、相対的なものなのですね。何かの基準に対して高いのか? 安いのか? この整理が重要になります。どんなに値段を下げても、一般的な基準(例えば味)と比べて「ダメだね」と判断された場合、その商品は安くなくなってしまうのですよね。

 

その5:学ぶことには謙虚になろう

多くのことを学ぶことができる『サイゼリヤ おいしいから売れるのではないうれているのがおいしい料理だ』です。この時代、学んでいる人を”意識高い系”なんて揶揄することもあります。だめですよね。そんなことしてちゃ。こういう風潮に対して、正垣さんは厳しいことを言います。

飲食店経営者の中には、他店を観察したあとで、「この店のやり方は大手だからできることで、うちにはまねできない」と、初めからまなぶことをあきらめてしまったり、逆に視察した店のあら探しばかりしたりする人がいる。厳しい言い方になるが、そんなことをやっている人は、経営者に向いていない。



この文章を読んだとき「わたし、経営者じゃないし」なんて思ってはダメです。会社の経営者でなくとも、いま、この記事を読んでいるあなたは、ECサイトの運営者なのです。初めから学ぶことをあきらめることなく、謙虚になって学び続けましょう。

 

4.おわりに 

日本有数のレストランチェーンを作り上げた正垣さん。無駄を削り、価格を下げ、美味しいイタリア料理を日本中に広めた正垣さん。その原動力は他責にしない強い心と、数値による徹底した業務改善でした。みなさんも、そのようなモチベーションを持ち、サイト運営が行えるように頑張りましょう!

 

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