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「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか」に学ぶECサイト運営の基礎

「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか」に学ぶECサイト運営の基礎

(参考:名代富士そば

ECサイト運営者の皆さんが抱える疑問を解決するお手伝いをするのがこの記事です。合い言葉は「本は素敵な先生」です。今回取り上げるのは、各店舗で独自のメニューをリリースし、話題を巻き起こしている立ち食いそばチェーン・富士そばの創業者である丹道夫サンの『「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか』です。安くて美味しいそばを提供することにこだわる丹サンは、演歌の作詞家であったりもします。そんな丹サンが教えてくれるECサイト運用の秘訣とは?

 

この記事でわかること

1.『「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか』を選んだ理由

2.丹道夫サンって、どんな人?

3.『「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか』から学ぶECサイト運営のコツ

 その1:部下をリードするなら前向きに!
 その2:数字で従業員を締め上げても、いいことはない
 その3:リベラルな心が、従業員満足度の源泉に。
 その4:とはいえ、お金が良いだけでは、従業員満足度は上がらない
 その5:従業員満足度を上げること、その目的はお客様の満足度を上げるため。

 4.おわりに

 

1.『「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか』を選んだ理由

(参考:名代富士そば


日本ではじめて24時間の立ち食いそば屋さんを始めたのが「名代富士そば」(以下、富士そば)。チェーン店でありながら店舗ごとに味が違うことを売りにしつつ、どの店舗でも演歌が流れることが多いという不思議なお店。ちなみに、お店でかかる演歌を作詞しているのは、富士そばの創業者であり、今回、紹介する本の著者でもある丹道夫さん。暖簾分け制度のような分社制を採用する富士そば。グループ各社は独立採算制で、同じ駅前で近接した店舗でも経営母体は異なる事例も多いという、ライバルチェーンとはひと味違う独自路線を行くお店の秘密が知りたく、この本を手に取ったのでした。

 

2.丹道夫サンって、どんな人?

丹道夫サンは、1910年名古屋市生まれ。生まれた直後に実の父を亡くし、4歳の時に、母親と共に愛媛に転居。母親は17歳年上の地元の実業家と結婚し、丹道夫サンには4年ぶりに父親が誕生しました。しかし、弟が生まれてからは、義父との関係は悪化。さらに肺門リンパ腺炎を患い、希望の学校に進学することもできなくなってしまいました。複数の職に就き上京と帰郷を繰り返した丹サンでしたが、4度目の上京で給食センター勤務を経て、埼玉県川口市工場向けの弁当屋を開業。弁当屋の経営は順調でしたが、1964年に不動産業に鞍替え。不動産業も順調に拡大し、1966年に日本初の24時間営業の立ちそば屋をオープン。このお店が富士そばの原点となります。経営は順調でしたが、共同経営者との意見の相違が大きくなり、1972年にダイタンフード株式会社として分社独立。そこから、皆さんがよく知る富士そばに進化していきます。では、そんな丹サンの考えを見ていきましょう。

 

3.『「富士そば」は、なぜアルバイトにボーナスを出すのか』から学ぶECサイト運営のコツ

その1:部下をリードするなら前向きに!

富士そばと言えば定番メニューもおすすめですが、各店舗独自のメニューもおすすめです。個人的には「ニラと豚しゃぶ肉のスタミナラー油蕎麦」と、ワンプレートにカレーとカツ丼と豚肉を盛り付けた「よくばりコンボ」が気に入っています。そのほか、フライドポテトがのった蕎麦も話題になりましたね。それにしても、店舗の独自性が素晴らしいですね。どうやら、このような積極性は、丹さんのマネジメント姿勢から生まれているようです。

 

何よりも気をつけているのは、従業員のやる気を殺ぐような言葉を決して発しないこと。しかし、世の中にはここで躓く経営者が実に多いように思います。
「君のアイデアは全然良いと思えない」「そんなのやらなくても結果が見えているだろう」
そうした言葉を口にすれば、従業員は白けてしまうでしょう。否定的な言葉を叩きつけるのではなく、まずは「君に任せた。やってみなさい!」と前向きにリードするべき。

 

かっこいいですね。こうやって部下のやる気を出すなんて素敵です。私も、このようなマインドで仕事をしたいものです。

 

その2:数字で従業員を締め上げても、いいことはない

前向きな言葉で部下を伸ばす丹さん。その精神は言葉だけでなく、報酬にまで現れています。

 

従業員を追い込んで百万円の売上を達成するより、みんなで楽しくやりながら八〇万円の売上を確保できる方が絶対に良い。ほどほどに儲けて、精神的な余裕がある状態が一番。差額の二十万は、損ではなくて、余裕代として払ったと考えれば良いのです。

報酬が少ないと、人間はどうしても力を出しおしみしてしまうのです。もちろん自分では頑張っているつもりでも、本当は100あるエネルギーのうち、実は80くらいしか出していない。80ならまだ良い方で、半分、それ以下という人もいるかもしれません。「どうせ給料が安いんだ。そこまで仕事しなくても良いじゃないか」という考えが一度でも芽生えたら、もういけない。ヘトヘトになるまで全力で働いてくれることは稀です。



なんと素晴らしいことでしょう。毎週のように、経営陣から「数字が足りないんだ! 数字を伸ばせ!」と追い立てられている私です。今すぐにでも富士そばに転職したくなってきました(笑) 安い給料で従業員をこき使っていては、ダメなんですよね。

 

その3:リベラルな心が、従業員満足度の源泉に。

前向きな言葉で社員を鼓舞するだけでなく、報酬でもしっかりと応える丹サン。何という心の広い人なのでしょう。なかなか真似できることではありませんよね。そんなアクションを次々実行する丹サンの心は、実に穏やかなのです。

繰り返しますが、私は人間はみんな平等だと考えています。金持ちも貧乏人も、老人も子どもも、男も女も、どっちが上でどっちが下でということはない。
経営者と従業員も同じです。立場や地位は違えど、人間としては平等に決まっています。そう考えているのだから、実際にそれを待遇に反映させるのは当然のことなのです。


人間はみんな平等です。口で言うことはできるでしょう。しかし、それを実行することは難しいです。ただ、自由闊達な会社にし、自律的に組織が動くようにするには、口だけでなく行動で示すことが重要だと言うことですね。

 

その4:とはいえ、お金が良いだけでは、従業員満足度は上がらない

何度も繰り返しますが、前向きな思考で、従業員を平等に扱う丹サン。これだけ聞いても「素敵な経営者で、素晴らしい会社」と思えてきます。が、お金って従業員を満足させる一要素に過ぎないとも、丹サンはおっしゃいます。

お金はもちろん必要だけれど、居心地が良くないかぎり、社員は居ついてくれない。ましてや、ただプレッシャーをかけるだけでは、人は動かない。人間というのは押せば動く道具ではない。そんな当たり前のことにやっと気づいた私は、猛烈に反省しました。

これ、人事労務の世界で語られることの多い「ハーズバーグの二要因理論(Herzberg’s theory of motivation)」の考え方、そのものですね。「ハーズバーグの二要因理論」とは、「動機付け要因(Motivator Factors)」と「衛生要因(Hygiene Factors)」の2種類に分けてモチベーションを考えるべきだとする理論です。動機付け要因とは仕事自体の満足感を達成するのに必要な要因で、衛生要因とは仕事の不満足を構成する用意を意味します。わかりやすく言うと、不満を解消するだけで、人は満足しないということです。

 

その5:従業員満足度を上げること、その目的はお客様の満足度を上げるため。

では、なぜ、丹サンは、ここまで従業員のことを考えるのでしょうか? 社員が前向きに、満足しながら働けるようにする理由って、一体何なのでしょうか?

理想は、お客様のためになることを考えて、自然と身体が動き、言葉を発しているような状態です。ただ、そこまでのサービス精神をもちあわせるのもなかなか難しい。私は自発的に動く動機が、自分の欲のためでも一向に構わないと思っています。さらにいえば、人間は自分の欲に遵って動いているときが最も自発的になり、良いサービスを提供できるのではないでしょうか。マニュアルは本質ではないのです。



富士そばで働くことに意味を見出し、富士そばで働くことに楽しさを覚えるようになれば、自然とお客様のために動くようになる。自分が心地よいと思える環境をよりよくするために働こうという、欲が、回り回って、お客様の満足度を上げるようにあると言うことなのですね。いわゆるES、従業員満足度を考えた経営の重要さを、丹サンは、ESという言葉がはやる前から実践していたと言うことです。

 

4.おわりに 

若い頃に経験した苦労の時代。その時代に味わった蕎麦の美味しさ。そして、立ち食い蕎麦を24時間提供するという、日本初のビジネスモデル。その根底にあるのはお客様と、一緒に働く仲間の幸せを考えてのことでした。丹サンのように「まわりの幸せ」を軸にECサイトを運営することをおすすめしますよ。

 

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