Shopifyストア運営で見落としがちな重要設定4選:構築・運用時の落とし穴を回避する
Shopifyストアの初期構築や運用を開始する際、商品の登録やテーマデザインに注力しがちですが、顧客体験やコンプライアンスに関わる「細かい設定」を疎かにすると、後々大きな問題につながる可能性があります。
特に、Shopifyのデフォルト設定のままで運用を始めてしまうと、顧客に混乱を与えたり、万一のトラブル時に対応ができなくなったりするリスクがあります。
この記事では、多くのストアで見落とされやすいものの、ビジネスの信頼性と安定性に直結する重要な設定項目4つを、その必要性と設定の意図とともに詳しく解説します。
目次
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初期設定で必ず見直す「ストアの言語設定」
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予期せぬトラブルを防ぐ「バックアップの配送料」
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ビジネスの信頼性を担保する「ストア独自のポリシー設定」
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顧客体験を左右する「メール通知のカスタマイズ」
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集客の土台を固める「Shopifyでできる基本的なSEO設定」
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ShopifyがSEO対策に向いている理由
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基本的なSEO設定と施策
1. 初期設定で必ず見直す「ストアの言語設定」
Shopify管理画面のデフォルト言語は英語であるため、ストアフロント(顧客向け画面)の表示言語が意図せず英語のまま残ってしまうことがあります。
たとえメインのテーマを日本語で作成しても、システムメッセージやチェックアウト画面の一部テキストなど、顧客が見る箇所に英語が残っていると、プロフェッショナルな印象を損ない、購入への不安を与えかねません。
設定の意図と対策
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意図: ストアフロントのあらゆるシステムメッセージを、ターゲット顧客に合わせて完全に日本語化する。
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対策: テーマの「言語を編集」機能を使用して、残っている英語の文言を日本語に修正します。
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Shopify管理画面にログインし、画面左下の設定を選択します。

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左側のメニューから「言語」を選択します。

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デフォルトに設定されている言語の3点リーダーをクリックし、「デフォルトを変更」を選択します。

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設定したい言語を選択し、右下の保存ボタンを選択します。

2. 予期せぬトラブルを防ぐ「バックアップの配送料」
Shopifyの配送料設定において、サードパーティ製の配送アプリ(例: 連携する配送業者のシステムと連動するアプリ)を利用している場合、アプリが何らかの理由で動作しなくなった際の備えが必要です。
アプリのサーバーダウンや一時的な不具合などにより、配送情報が取得できなくなると、顧客は決済画面に進めなくなり、カゴ落ちの原因となります。これを防ぐために「バックアップの配送料」を設定します。
設定の意図と対策
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意図: 通常の配送料計算が失敗した場合でも、顧客が決済を完了できるように、代替となる料金(バックアップ料金)を提供すること。
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対策: 配送設定内の各配送エリアに、手動で設定した標準の配送料を残しておきます。
Shopifyヘルプセンターにも記載されている通り、通常、サードパーティの配送アプリを使用している場合でも、手動で設定した配送料(カスタム料金)がバックアップとして機能します。
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「設定」>「配送と配達」の「基本の配送料」を「管理」します。
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アプリが適用されている配送エリア内に、アプリの料金とは別に、全国一律や地域別などの手動で設定した標準的な配送料を一つ以上設定しておきます。
【画面キャプチャ】配送プロファイルの画面で、アプリの料金と並行して手動で設定された送料が表示されている状態
この手動設定の料金は、アプリが正常に動作している間は非表示になりますが、アプリが応答しなくなった際には自動で表示され、顧客は購入を完了できます。
3. ビジネスの信頼性を担保する「ストア独自のポリシー設定」
Shopify管理画面の「ポリシー」セクションには、返金ポリシーやプライバシーポリシーなどのテンプレートが用意されています。しかし、これらのデフォルトテンプレートは、あくまで汎用的な内容です。
日本の特定商取引法に基づく表記や、ストア独自の返品条件、個人情報の取り扱い、決済方法など、ストア運営の具体的な実態に合わせてポリシーを調整しないと、法令遵守や顧客との認識の齟齬が生じるリスクがあります。
設定の意図と対策
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意図: ストアの具体的な運用ルールや、日本の法規制に基づいた情報を明記し、顧客に安心感を与え、トラブル発生時の指針とする。
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対策: テンプレートを参考にしつつ、ストア名、責任者名、連絡先、実際の返品・交換条件などを具体的に修正・追記します。
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Shopify管理画面の「設定」から「ポリシー」を選択します。
設定メニュー内の「ポリシー」を選択
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「返金ポリシー」「プライバシーポリシー」などの各欄で、「テンプレートから作成」を利用した後、ストア独自の具体的な情報(例: 返品期間は商品到着後7日以内、お客様都合の返品送料はご負担いただくなど)を追記・修正します。
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「特定商取引法に基づく表記」は、日本のECサイトでは必須です。該当する欄がない場合は、固定ページとして作成し、ストアフッターなどから必ずリンクを設置しましょう。
ポリシー編集画面でテンプレートを編集し、具体的な文言を追記している様子
4. 顧客体験を左右する「メール通知のカスタマイズ」
顧客が注文完了や発送通知を受け取る際にShopifyから自動送信されるメール通知は、ブランドの印象を左右する重要な接点です。標準の通知メールは非常にシンプルで事務的な文言のみが含まれています。
この通知メールをカスタマイズせずにいると、顧客に冷たい印象を与えたり、ストアのブランドメッセージを伝える機会を逃したりすることになります。
設定の意図と対策
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意図: 注文・発送といった重要なタイミングで、顧客に感謝の気持ちを伝えたり、配送に関する役立つ情報を提供したりするなど、ストアの温かみやブランドメッセージを付加する。
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対策: 各通知メールの本文を編集し、ブランドに合わせた挨拶や、問い合わせ先、他の商品紹介などの情報を追記します。
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Shopify管理画面の「設定」から「通知」を選択します。
設定メニュー内の「通知」を選択
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「注文」セクションにある「注文確認」や「発送」セクションにある「発送確認」など、カスタマイズしたい通知メールを選択します。
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「メールの本文(HTML)」または「メールの本文(テキスト)」の欄で、HTMLやLiquidタグを理解した上で、適切な位置にオリジナルの感謝のメッセージやブランドのロゴなどを追加します。
通知設定画面で「注文確認」などのメール通知テンプレートを選択している様子
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ヒント: 専門的なコード知識がなくても、簡単な挨拶文や追記情報をテキストとして加えるだけでも、印象は大きく改善されます。
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