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【本から学ぶEC運用】「夢を力に」に学ぶECサイト運営の基礎

【本から学ぶEC運用】「夢を力に」に学ぶECサイト運営の基礎

 

(参考:本田技研工業

ECサイト運営者の皆さんが抱える疑問を解決するお手伝いをするのがこの記事です。合い言葉は「本は素敵な先生」です。今回取り上げるのは、本田技研工業の創業者である本田宗一郎サンの『夢を力に』です。バイクと自動車のレースで共に世界1位を獲得したことのあるホンダを作り上げた本田宗一郎サン。ものまねは嫌いで、ユーモアと情熱にあふれる本田宗一郎サンが教えてくれるECサイト運用の秘訣とは?

 

この記事でわかること

1.『夢を力に』を選んだ理由

2.本田宗一郎サンって、どんな人?

3.『夢を力に』から学ぶECサイト運営のコツ

 その1:アイディアこそが何よりも重要。
 その2:時間の重要さを侮るな!
 その3:期待をするなら悪い子に。
 その4:笑いのない人生はつまらない。
 その5:まず自分のために働こう。

 4.おわりに

 

1.『夢を力に』を選んだ理由

(参考:本田技研工業

わたくし神田はホンダの大ファンで、ホンダが去ってしまったF1を落ち着いた心で見るためというのは冗談です。皆さんご存じの通り、世界中にHONDAを展開する本田技研工業は戦後生まれでありながら、世界的大企業にまで育った会社です。この原稿の初掲載は1962年。日経新聞の人気コーナー「私の履歴書」でした。ちなみに創業は1948年。創業14年ですでに世界的なバイクメーカーとして名をとどろかせ(有名なマン島レースの優勝は1961年)。21世紀のいまに当てはめればGAFAと並ぶような急成長するベンチャー企業といえるのです。そんな急成長する本田技研工業の秘密がぎっしりと書かれています。

 

2.本田宗一郎サンって、どんな人?

本田宗一郎サンは1906年静岡県生まれ。本田技研工業設立時はすでに42歳となっておりました。それまで何をしていたかというと、1937年に東海精機重工業株式会社の社長に就任し、企業系をおこなっていたのですね。なお、高等小学校しか卒業していない本田サンは16歳の時にアート商会に丁稚奉公として入社。自動車修理の基礎を学び、自動車レースにも参戦したのですね。ちなみに、神奈川県川崎市の多摩川河川敷にあった多摩川スピードウェイで開催された第1回全国自動車競走大会に参戦しています。


時の流れを読むのが得意で、かつ好奇心旺盛、さらに手先が器用だった本田宗一郎サンは、様々な商品の開発をおこないます。その中の1つが今も生産されているスーパーカブというバイク。世界中で愛されるバイクを生み出し、さらにその後は自動車業界に参入し、F1で頂点を極めることとなったホンダの姿は、皆さんご存じの通りです。では、そんな本田サンの考えを見ていきましょう。

 

3.『夢を力に』から学ぶECサイト運営のコツ

その1:アイディアこそが何よりも重要。

戦後の物不足の時代に、誰もが乗れるバイクを開発した本田宗一郎サン。ないないづくしの時代では、公共交通機関すら時間通りに運行することは、あまりありませんでした。そんな時代だからこそ、「人は必ず移動をするんだ」と、自転車に補助エンジンを付けてバイクを創り出した本田宗一郎サン。このようなアイディアこそ重要だと、教えてくれます。

 

時代に魁けるアイデアが経営を繁栄に導くのである。よいアイデアがなければ、いかに金貨の袋を抱いていても、時代のバスに乗り遅れて敗残者となるのである。
資本がないから事業が思わしくないとの声をよく聞くが、これは資本がないからではなく、アイデアがないからである。

 

自動車がはやり始めれば自動車修理を、物不足になればピストンリングの製造を、そして戦争が終わって物不足になればオートバイの製造を始めた本田さんならではの発言ですね。言葉には重みがあります。

 

その2:時間の重要さを侮るな!

「時間の重要さを侮るなだって? 時間が重要な要素であることくらいわかっているよ」。そう思った方も多いことでしょう。時間が重要なことくらい、わたくし神田だって理解しています。が、時間を細かく管理するだけじゃダメなんだよと、本田サンはおっしゃいます。

 

多くの人は事業の要素を、資本、労働、経営の三者に求めるが、今一つ重要なファクター、すなわち時間のあることを見落としている。どのように優れた工夫や発明でも、必要なときに提供させられなければ何らの価値もない。「六日のあやめ、十日の菊」は商品価値は零である。
創立日なお浅く、資金も乏しく、設備も充分とは言えない我が社が、自動二輪車工業界において現在の地位を占めたのは、アイデアの尊重とともに時をかせいだからである。



本田サンがおっしゃる「時」とは「時間」だけではなく、タイミングの意味も含んでいたのです。いま、このタイミングで勝負を賭けなくてどうするのだ? そのような判断がなされたときには、すぐに動ける体制を整えておきましょうということですね。

 

その3:期待をするなら悪い子に。

この本の元となる原稿が書かれたのは1962年。いまから60年も昔のお話。コンプライアンスがうるさい令和の時代に「悪い子に期待する」と言われるとドキドキしてしまいます。ただ、本田サンは、コンプライアンス的な意味の”悪い子”の話はしていないようですよ。

なぜかといえば、そういう子どもこそ『個性の芽生え』を持つ、頼もしい、可能性に満ちた本当の意味の『いい子』なのである。
常々私は、周囲の若い人たちにもこう言っている。
前世紀の考えから一歩も出られないオトナから『いい子』だなんて言われるようじゃ、そのオトナ以上に伸びやしない。他人の顔色ばかりうかがって、自分の中に萎縮して生きるような人間は、どんどん日進月歩する現代には通用しない。第一ついていけない。


悪いことは、周りのオトナから「いい子ですね」と言われないことだったのですね。周りの空気に馴染んでしまったら、新しい時代の芽生えを感じることも出来なければ、その時代について行くことも出来なくなりますからね。ECサイトの新しい企画は、社内のやんちゃな若者にヒントを貰うのも良いかもしれませんね。

 

その4:笑いのない人生はつまらない。

本田宗一郎サンといえば、自動車業界のレジェンドです。そんな伝説の人である本田さんの写真は、どれもが笑顔です。実際に本田サンはいつも冗談を言い、周囲を笑わせていたようです。なぜそんなことをしていたのか? 持って生まれた性格もありますが、これには深い理由があったようです。

人間というものは機械と違って、一定の能力を連続して発揮できない。疲れ、飽き、たちまち効率が落ちる。このために、人間には休息と気分転換が必要なのだ。冗句は単調な生活に句読点を付ける瞬間的な笑いの慰安であり、警告であり、気分転換である。これが緊張から解放し、疲労を忘れさせ、気分を明朗に活気づけてくれる。


みなさん、サイトの運営をしかめっ面でおこなっていませんか? 毎日の定常業務だからといって、淡々とこなしていませんか? Shopifyのようなプラットフォームはシステムですが、その運営をおこなう私たちは機械じゃないのです。笑いの時間を作って、しっかりとリフレッシュしながら業務をこなしていきましょう。

 

その5:まず自分のために働こう。

カスタマーセントリックな時代に何を言っているのだろう・・・わたくし神田は、素直に思ってしまいました。お客様のため、会社のために働くのではないか? と。どうやら、私の思い違いだったようです。

自分のために働くことが絶対条件だ。一生懸命に働いていることが、同時に会社にプラスとなり、会社をよくする。会社だけよくなって、自分が犠牲になるなんて、そんな昔の軍隊のようなことを私は要求していない。自分のために働くということ、これは自分に忠実である。利己主義だと思うかもしれないけれど、そうではない。人間は人にもよく言われなければ自分が楽しくないという相対的な原理を持っている。



本田サンがおっしゃっているのは、ブラック企業のようになるなということなのですね。なんでも会社のために働くな、と。「こうなりたい!」という自分の想いを実現するために働こうということですね。高いモチベーションがあればあるほど、良い結果になりますからね。あなたの会社のECサイト担当者はいやいや仕事をしていませんか?

 

4.おわりに 

いまやHONDAといえばバイクや自動車はもちろん、耕運機や、自家発電機どころか、ロボットや、ジェット機まで作る会社です。世界中を見渡しても、ここまで手広く「乗り物」を作っている自動車メーカーは、なかなかありません。なぜ、HONDAだけ、そう言う会社になったのか? 時代の変化を感じ取り、その変化を形に出来る機動力があったからだと、わたくし神田は思います。みなさんも、時代の変化を感じ取り、それにあわせてサイト運営が行えるように頑張りましょう!

 

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